今日の一曲 No.88:バリー・マニロウ「Fools Get Lucky」(アルバム『IF I SHOULD LOVE AGAIN』より)

「今日の一曲」シリーズの第88回です。

88枚目にご紹介する盤は、バリー・マニロウの10作品目となる記念アルバムです。もちろん、当時のLPレコード盤です。

バリー・マニロウについては、第27回(2017/04/23記載)で、特に10代後半から20歳代の頃に「静かな心の支え」となっていた一曲としてご紹介させていただきましたが、今回はこれとは少し異なる存在として、20歳代の頃も、それ以降も、そしていま現在も、ある時、ふと、ある思いを想い起こしてくれる一曲として、この88枚目の盤から一曲をご紹介させていただこうと思います。それでは、いつものように様々な出来事と併せて書かせていただきます。

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 この「今日の一曲」で書いた中でわりと最近であるなら、第87回(2018/08/24記載)や第85回(2018/08/17記載)に書いたような、これまでの私の人生においては、少々厄介な問題や難解な出来事を目の前にしているときであったり、むしろ最悪にも思えるような出来事が降りかかってきたときにこそ、

「なんてラッキーなのだろう~・・・」

といった・・・そんなふうに都合のいい勝手な解釈ができてしまうような体験をしてきている感覚がある。

 

でもそれは、人との好き(よき)出会いに他ならない・・・と、つくづく感じる。

 

My life was once a hight trapeze

You pulled me down and gave me peace

That's something no one else

Could ever do

 

またそれは、その度ごと、心の奥底に澄みきった純なる何かが染み渡っていくかのような感覚とともに、「有難い」、「感謝」という言葉の本当のところの意味を想い出させてくれる。

 

が、「人」というか、「私が」なのであろう・・・こうした大切なことを日々において多々忘れてしまう愚か者である。

 

 最近、ある人から(←初対面で、一般的にある程度社会的にもその存在を認められている方)

「あなたはメンターになるモデルとすべき人がいるか?」

「しっかりとモデルとなるメンターをもたなければ、この以上あなたの音楽活動は、また、やろうとしていることは進まなくなると思うけど・・・」

と言われた。

・・・・

そこで考えた・・・

しかしながら、いま音楽活動を続けているなかで、特定に意識しているような人物はいない・・・

ん~・・・いないのだよ。

 

社会人としての仕事の姿勢を指し示してくれたメンター的存在の人は、心奥に常に存在している。

このブログ「今日の一曲」のなかで何度も登場させてきた例の「救世主とも思える人」のことだ。長く、ある業界(もう皆さんお分かりかと思うけど・笑)でやってこれたのは、この人との出会いがあってである。この人から教わってきたこと、実際には叱られてばかりだったけれど、これが大人として仕事をしていく上での軸になっている。・・・という意味では、この分野・業界のメンターとなる人の存在は持ち合わせている。

 

あとは~・・・歴史上に登場してきている人物であるなら「勝海舟」ということになるだろう。

小学生の高学年か中学に入った頃に知って、高校生・大学生の頃は興味をもって「勝海舟」なる人物のその生き方を熱心に追いかけたこともある。

 

ところが、音楽に関わる人、音楽家やミュージシャン、作曲家・・・となると、なかなか特定の人の名前をあげることができない。何度考えても浮かんでこない。

 

これまでの「今日の一曲」で紹介してきた通り、幼少期からこれまでに、クラシック、GS、フォーク、ポップス、ロック、ジャズ、ダンスミュージック、ラテン、テクノ、現代音楽・・・などなど、様々な音楽を耳にしてきて、その楽曲・作品の一つひとつから感動を受け取ってきて、それはときには「心の支え」にもなってどんなに助けられてきたか・・・、またこれらの楽曲や音たちを生み出した音楽家やミュージシャンたちをどんなにか「尊敬」もし、「感謝」しているか・・・計り知れないものがある。

 

だからかも知れないけれど、多くの音楽、音楽家、ミュージシャンたちが与えてくれた、これら全てがメンターであり、モデルであり、「命を与えてくれて」、「救ってくれた」もので、この中のどれかに、誰かに・・・などど、特定するような対象には思えないし、また特定できない・・・そんな感覚なのだ。

 

When I see the good times shine

One this wayward life of mine

I tell the world

It's all because of you

 

それは自らが音楽活動を始めてからも同じだ。

ライヴハウスで出会う人たち、それは正直すべてではないのだけれど、その多くは、ミュージシャンもライヴハウスの店長さんやスタッフさん、音響さんも、出会った多くの方がもうそれは尊敬する人であり、感謝をしている人たちである。

49歳になってからシンガー・ソングライターとしての音楽活動をはじめたこの愚か者のオヤジを、出会ってくれた皆さんがどんなに温かく見守ってくれているか、どんなに優しく接してくれているか、・・・これらに何度も救われて、何度も勇気づけられてきているのだ。

 

But fools get lucky

Fortune must like me

When people ask where you came from

I tell them

 

1981年、バリー・マニロウ(Barry Manilow)の「バリー・マニロウ10」として世に出された記念アルバム「If I Should Love Again(愛はあなただけ)」は、アルバムタイトルに象徴されるように収録された楽曲のそのすべてが恋愛をテーマにした歌詞をもとに、バリー・マニロウが作曲を手掛けて歌い演奏しているアルバムになっている。

全11曲のうち、タイトルにもなっている「If I Should Love Again」と「I Haven't Changed The Room」の2曲は、歌詞もバリー・マニロウ自身が書いている。

 

前にも書いたけれど、中学2年生当時にインフルエンザの流行で学級閉鎖中に元気だったガキが偶然にラジオから流れてきた歌声・音楽に耳を奪われていて以来、好んで触れるようになった音楽だ。

ときに励ましてくれて、救ってくれた音楽を、このバリー・マニロウからも人生を歩むなかで頂戴していたというわけだ。

 

このアナログ・LPレコード盤を手に入れたとき・・・当時は大学生だったはずなので、おそらく船橋市と習志野市の境にあった例のレコード店で購入したのだと思う。・・・大抵は一枚一枚の盤を買ったときの記憶は残っているのだけれど、この盤に関しては記憶がない・・・(汗)。

が、このアルバムのB面の3曲目に収録されたこの一曲には随分と長い間お世話になっている。盤を買った当時よりも、むしろ社会人になってからの方がお世話になっていると言っていい。

 

その一曲は、

 

「Fools Get Lucky」。

 

歌詞は、ジョン・ベティス(Jone Betis)が書いている。カーペンターズのファンである方はよくご存知かと・・・。

 

岐路に立たされたりしたときは、

「きっと乗り越えられるはず!」

と、励まして背中を押してくれる曲として・・・、

 

そして、一難をどうにか乗り越えられたとき、誰かに助けられて救われた想いになったときは、

「なんてラッキーなんだろう~」

と、共に歩んでくれた仲間や周囲の人たちに、あるいはその出来事に、心から感謝をして、その有難さを噛み締めさせてくれる一曲になっていった。

 

Fools get lucky

Destiny likes me

It must be of nature's rules

Love like yours

Should save the fools like me

 

歌詞だけを直訳的に眺めれば、ただ単にラッキーさを幸運に思うだけの都合のいい楽観的過ぎる歌に想えてしまうかも知れないけれど、バリー・マニロウが付けたややスローテンポな曲想とメロディラインは、その歌声と合せて聴くならば、私にはそんな短絡的な意味だけで完結してしまうような楽曲には聴こえてこない。

 

「励まし」と「有難み」の深さを届けてくれている音楽に感じる。

いま現在も、この盤を取り出して聴くときは、そうである。

 

さてさて、メンターをもつことをご指摘くださった方の言葉もそれはそれで大切に考えようと思って・・・、で、これまで長き年月に渡って私の比較的身近な存在でありながらも音楽や音楽活動に関わり、その言葉や行動から私が尊敬と感謝を抱く人たち数人に、その人たちが尊敬する音楽家やミュージシャン(アーティスト)を教えてもらった。そして、その音楽家やミュージシャンらの生き方や音楽への姿勢について、今、少しばかり勉強をはじめた。

 

この長い付き合いのある尊敬と感謝を抱く人たち、それぞれからは共通して、

「特定なものをもたない、それこそが愛間純人だろうと思うけど・・・」

と言われたのでもあるけれど・・・。

 

いずれにしても、いい機会になった。

あらためて、周囲にいる人たち、これまでに出会ってきた人たち、音楽活動を通じてお付き合いさせていただくようになった人たち、いろいろな人のことを、それぞれの人のことを丁寧に振り返って考えてみる・・・そんなきっかけになった。

 

ここでまた、

「人との出会いは大切だよ」

「有難いを忘れるなよ」

「尊敬と感謝をもって歩んでいくんだぞ」

と言われている気がする。

そう、柔らかく包み込んでくれるようなアレンジとともにバリー・マニロウの「Fools Get Lucky」が、今またその想いを運んでくる。

 

「今日の一曲 No.88」は、バリー・マニロウのアルバム「If Should Love Again」より「Fools Get Lucky」をご紹介させていただいた。