
「今日の一曲」の第46回目。
今回は、イングランド出身のアカペラ男性6人のヴォーカル・グループ「キングズ・シンガーズ」、その結成10周年記念コンサートをライヴ収録したLPレコード盤をご紹介させていただく。
もちろん、また、あれこれと私的なことも少しだけ語らせていただこうかと・・・(笑)。
ご紹介の盤は、「キングズ・シンガーズ」結成10周年記念コンサート(1978年5月1日:ロイヤル・フェスティバル・ホール(ロンドン))そのままをライヴ録音した2枚組のLPレコード盤だ。
で、ごめんなさい。今回は反則しま~す(汗)!
「今日の一曲」の一曲だけの紹介ではなく、ライヴ収録盤でもあり、このLPレコード盤すべて丸ごと、ご紹介させていただくことに・・・。
「キングズ・シンガーズ」の存在を知ったのは少し遅すぎたぁ~。
当時は、例の様々あった職場も活気づいてきて、個人的にも社会人として仕事に少し自信がもてるようになってきていた。ん~・・・27歳~28歳頃かな。もちろん、この職場の救世主でもあり尊敬すべき上司であるその方からは、まだまだ叱られることも度々ではあったものの・・・(汗・笑)。
ある日の夜、何気にテレビの電源をONにしてチャンネルを幾つか選択し始めたところで、音楽番組が映されている画面を暫く眺めた。主にクラシック音楽を紹介するような番組だ。
コンサートホールのステージには蝶ネクタイ姿の男たち6人がアカペラで合唱を聴かせている。が、それだけではない。何やら客席から笑い声やリアクションによる拍手までもが遠慮なく交差するのだった。
「え~!何、何、・・・!」
「楽しそう!!」
「いや、いや、いや・・・、綺麗なハーモニー!」
これが、第一印象だった。
・・・と、
テレビに映されているコンサートは、もう終わりの方であったのだ。
アンコールの拍手。
アンコールは、2~3分の短い曲で。演奏が終わると再び客席から湧き起こる拍手。あまり間を空けずに再び2~3分の短い曲。終わるとまたまた客席から湧き起こる拍手。
テレビ放映はここまで・・・。10分ほどしか視聴してないのに・・・。
画面のテロップとアナウンスで、この数ヶ月前の「キングズ・シンガーズ」来日コンサートの録画であったことを理解した。
数日後、レコード店へ。
当時はアナログ・レコード盤から、そろそろCDの時代に移ろうとしていた。アナログ・レコード盤のスペースは減りつつあって、新作の盤はCDばかりで、半々くらいの割合で店頭に並べられていた。
近所から順に少しずつ都会方面へとレコード店を何件か巡って「キングズ・シンガーズ」の盤を探すが見つからない。
また、数週間して、「ん?」と思い立った。中古レコード店へと向かったのだった。自宅からは随分と都会方面の東京・三鷹の中古レコード店で発見!
今回のご紹介の盤は、ここで購入したのだ。ラッキー(笑)!
この盤を手に入れて、「キングズ・シンガーズ」を初めて詳しく知った。そして、これよりも約10年も前に、10周年記念コンサートがあったことを知って更に驚かされた。もっと早く知りたかったぁ~。
収録のLPレコード盤は、1枚目には主にクラシック曲が、2枚目にはポピュラーな曲が、コンサートのプログラムの構成通りに収録されている。
完璧なハーモニーと巧みなアンサンブルが、まったくゴマカシ無しのアカペラで繰り出される。
加えて、客席の笑い声や拍手などの楽しい空気感が伝わってくるようなライヴ収録盤で、でも、聴かせどころは客席も合わせて確りと耳を澄ませて聴き入っている。まさに、ステージと客席が一体となっている様子が実感できる盤だ。
もしも、自分が演奏する側だったら、「キングズ・シンガーズ」のように、ステージと客席とが一体感のある楽しいコンサート、もっと言うなら、お客さんどうしも繋がっていくようなライヴをやりたいなぁ~・・・なんて、妄想でしかない想像をしながら、聴いていた。当時は、自分が演奏をする側になることは100%あり得ないことだった。
洗練された高い技術と音楽性を表現しながら、派手な演出は無くても、極々自然に、客席を楽しませて、和ませて、皆が一体となっていくコンサートやライヴ、「これだ!」と強く感じた当時だった。
もしかすると、この感覚が残っていて、現在、自身がプロデュースして開催している『ほっと楽しやハートライヴ』に繋がっているのかも知れない。
ほっこり、心温まる「キングズ・シンガーズ」の結成10周年記念コンサートを収録したライヴ盤を、「今日の一曲」として(今回は反則で一曲ではないけど・・・)、ご紹介させていただいた。
コメントをお書きください