ライヴ報告「ほっと楽しやハートライヴ(第14夜)」~三鷹で再開、そして再会~

昨夜6月29日(土)、東京・三鷹の「おんがくのじかん」を会場に、自身がプロデュースする「ほっと楽しやハートライヴ(第14夜)」を開かせていただきました。

おおかたご存知かとは思いますが、元々は阿佐ヶ谷にあったライヴハウスに合せた企画として2015年3月から約3~4カ月おきに開いてきたライヴでした。その阿佐ヶ谷のライヴハウスが昨年末で閉じることになったために、昨年の10月の「第13夜」をもって終了させていただいたという経緯があります。ただ、その後も、ライヴに足を運んでくださったお客様から、あるいはゲスト出演してくださった方から、

「『ほっと楽しや・・・』またどこかでやったらどうですか?」

と声を掛けていただくことやメッセージ等をいただくこともあって、こうした有難い言葉に背中を押されて今回の再開に至ったのです。

それで、今回の「ほっと楽しやハートライヴ(第14夜)」は、「~三鷹で再開、そして再会~」というサブタイトルを付けて開催させていただきました。

では、ライヴのご報告を・・・

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その前に、無事に今回のライヴ終えたからこそ打ち明けられることを・・・

2週間ほど前のこと、いつものように週末には喫茶店や居酒屋さんでの生音ミニライヴも続けていたのだけれど、何故か声が鳴らしにくいのだった。

ハミング等ではファルセット(高音の裏声)域からチェストヴォイス(中音・低音の地声)域まで難なく鳴らせる・・・ということは、声帯自体には問題が無さそう。ところが、実際に歌い始めると、音程、音量、声質のコントロールがスムースに効かない状況。そのまま3日ほど練習を含めて歌っていると、いよいよ他人様には聴かせられるような状態ではなくなった。

いま一度、よ~く、自分の身体へと意識を向けると、僅かに右耳のすぐ下の辺りに痛みというほどではないのだけれど、違和感がある。

病院へ行った。

リンパ腺がやや腫れている感があって、耳の奥(中・内耳)も何等かの炎症を起こしているらしいとのこと。薬を服用して念のため喉も休めることになった。言われてみれば、右耳の後ろ側から首筋と喉の右側にかけての違和感がいっそう強く感じるようになっていた。そのすぐ後の2件の生音ミニライヴは中止させてもらった。

恐々、軽いヴォイストレーニング等を再開したのは「ほっと楽しや・・・」の3日前。

ライヴのセットリストも、喉を少しずつ温めていって音域を広く使う曲を曲順の後ろにまわす案なども考えて練習したのは2日前。・・・30分くらいの短いライヴなら歌い切れそうな感触になった。前日もこの状態を維持するだけの練習に留めた。

まぁ、「ほっと楽しや・・・」では、45分~50分くらいのつもりで準備するのが本来なのだけれど・・・。 

 

さて、ライヴ当日を迎えた。

昼過ぎから、ゆっくりと時間を掛けて少しずつ身体を温めて、喉を温めながら発声の準備。

17時前、会場となる三鷹の「おんがくのじかん」に到着。

リハーサル開始。

少しずつ喉を温めながらも短めの時間内に納めて軽く済ませようと思っていた。ところが、アハハハ・・・(泣)。ここのところ生音のライヴばかりだったので、音響器材(PA)をちゃんと通したときのギターが不調を起こす状態になっていたことに気付かないでいた。ギターの音が綺麗に鳴らない。・・・・それでも、ここは、「おんがくのじかん」の菊池さんにPA側で調整してもらって何とか難を乗り越えた。

「さすが菊池さん、感謝、感謝」

だけれど、この調整のために、何度も繰り返して歌うことになってしまい、考えていたように軽く済ませることはできずに、やや長めになってしまった。

・・・

 

そして、ライヴ本番。

 

まずは、今回お迎えしたゲスト出演者3組から・・・

 

一番手は、奈良から駆けつけてくれた「吉浦隆司」さん(Vocal & A.Guitar)。

なんと、その一曲目は、私の曲「IKOーZE!(行こうぜ)」をカバーしてくれたのだった。吉浦隆司さんならではのアレンジでその印象はまた別な味わいを魅せてくれて、なかなか聴きごたえのある演奏で始まった。

私はブログに「今日の一曲」シリーズというのを書き続けているけれど、その6月9日(ロックの日)「今日の一曲No.96」と6月12日「今日の一曲:No.97」の中で紹介している命の恩人「Y氏」とは彼のことで、そのNo.97で紹介した忌野清志郎の「雑踏」もカバーして、彼独自の歌声と歌いまわしでそれを披露してくれた。

そして、吉浦隆司さんのオリジナル曲は更にその色を濃くして客席に届いていったのではないだろうか。この日は特に、彼は新曲と言うのだけれど、(・・・私には)ほぼ即興曲に感じてしまうその曲は面白みと真剣さが織り込まれた吉浦隆司ワールド全開の曲だった。そして、最後に聴かせてくれた曲では会場も一緒に手拍子を打っての盛り上がりになった。

 

2番手は、「永井Lee」さん(Vocal & A.Guitar)。

4月の終わりには、我が住む街にもいらしていただいて地元のカフェでほぼ半日語り合い、ミニミニライヴもやって一緒に過ごした。ここ最近は、お忙しい様子であるにもかかわらず快くゲスト出演を受けてくださった。

この日もリハーサルなしで会場入りして、いきなり本番のステージへと立つ。もちろん、PAの菊池さんの気転の見事さもあるのだけれど・・・。

が、やはり、さすが「永井Lee」というライヴだった。

歌声もギターもじっくりと聴かせて届ける・・・それもさり気無く、そんな何かをご自身なりに得とくされているように感じる。

どことなくラテン系民族音楽の匂いのする独特のフレーズ感がどの曲にも散りばめられて聴こえてくる。味わい深い強く確りとした声質とともに優し気に歌い上げる魅力が、この日はなお一層際立っていたかのように感じられた。ギターも細かな技をさらっと挟みながら、なかなかカッコイイ~。オトナだね~。

 

3番手は、カノミさん、さと子さん、お二人のユニット「ピロシキアンサンブル」さん(Vocal & A.Guitar &

 A.Sax etc.)。

私がライヴハウスやライヴカフェに出演するようになったばかりの頃に特にお世話になったお二人だ。まぁ現在もお世話になりっ放しなのだけれど・・・(汗)。

この日のライヴの後、さと子さんが音楽活動をしばらく休止される(おそらく来春まで)というので、「ピロシキアンサンブル」としての年内の活動は最後という日になった。

「ピロシキアンサンブル」とは、カノミさん、さと子さんそれぞれのまったく異なる性質が真に化学反応を起こして表現される、お二人ならではの独特のワールド・ミュージックだと個人的には感じている。二人のまったく異なる角度からの追及もその深い洞察力は同じであって、確りとバランスが保たれて創り上げられていく音楽に想える。

この日は、どちらかというと、全体的には「動」よりも「静」の「ピロシキアンサンブル」のライヴであったように感じた。それでも、二人は常に挑み続けて歩んでいて、カノミさんの久しぶりのA.Saxも、さと子さんもA.Guitarを持っての二人でのツイン・ギターの演奏もあって、ライヴの構成全体を含めて、また新しいスタイルを覗かせてくれた。・・・その内なるものは「動」のようにも感じるステージだった。いつ聴いてもその世界観に惹きつけられる。

 

ゲスト出演者3組の演奏を終えて、私の出番となった。

まず、「心にある足」、「ねじれの位置」の2曲を演奏して、

ちょっとトーク・・・「ほっと楽しやハートライヴ」の再開に至った経緯。それと、ゲスト出演者3組のライヴを客席で聴き入っていると、「そのまま客席に居たい気分なんですよ」みたいな話もして・・・、

次に、「桜、夢色」、「届けるもの」を演奏して、

またちょっとトーク・・・この日限定で着ていた我が住む街を応援する「キリンが描かれた黄色いTシャツ」の話。それと、ゲスト出演者をあらためて紹介しながら自身との繋がりや関係をお話して、来場してくださったお客さま皆様に御礼を申し上げて・・・

最後の曲は、「やさしい雨」を演奏させていただいた。

良好な状態で全曲を歌い通せるかは正直不安はあったが、客席は常に熱心に聴き入ってくれていたように感じた。

ライヴというのは、客席と演奏者の相乗効果で成り立っていくのだよね~・・・と、あらためて、そうつくづく感じた。

 

アンコールの拍手までいただいた・・、ありがたい。本当に有難い。

アンコールは、この企画でアンコールをいただいたときだけ歌うことにしている「木漏れ日の願い」。

 

ライヴ終了後も、来場されたほとんどの人が残って、出演者たちと会話を交わして楽しんでいた。

これも「ほっと楽しやハートライヴ」の好い(よい)ところかと自負している。

私の知り合いの一人は、「木漏れ日の願い」を聴いて泣き出しそうだったらしい・・・そんな感想も聞かせてくれた。

「おんがくのじかん」の菊池さんは予定の時間を過ぎてまで店を開けておいてくれた。

 

この日、ライヴ会場で共に過ごしてくださった皆様、本当に、ありがとうございました!

感謝、感謝です!

 

(*上記の写真はライヴ終了後の出演者)