ライヴ報告:「教育を語りあおうよ音楽Cafe-Barで(Vol.2:三鷹編)」

5月31日(金)の夜、東京・三鷹のライヴスペース「おんがくのじかん」を会場に、「教育を語りあおうよ音楽Cafe-Barで(Vol.2:三鷹編)」という企画を開かせていただいた。

 

この企画の主旨は・・・、

『いま、日本のすべての子どもたちに深刻な問題が及んでいますよ~』

『日本の子どもたちのすべてに共通した危うさ、危機的な状況があるのですよ~』

という問題を提起するとともに、

『これらは、学校教育の場で、子育て中の家庭で、そして日本の社会全体の問題として、大人たち皆が共有して力を出し合って根本的な解決をしていくべきで、このまま放置していては、もういくら何でもマズイんじゃないの?』

というところから始まっている。

そして、

『これらの問題解決の「軸」となり得るもの、解決策の「原則」となるものを見失うことなく、具体的な対策を知恵を出し合って見出していきましょう』

といったことを目的に開いている企画なのだ。今回はその2回目「Vol.2」として開催した。

 

自身、30年数年間に渡って教育現場に立ってきた経験と、10年ほど前から始めた音楽活動を通じて日本の色々な地域を巡るようにもなって、おそらくこれら様々な体験が相まってのことだろう・・・

「本当に大切なことってこういことなんじゃないの?」

といったヒントめいたものを感じて考えるようになったことがきっかけだった。

とは言え、経験則だけの私の個人的な感覚だけで終わらせてはならないと考えて、5年程前からあらためて、教育学、哲学、心理学、脳科学、社会学、経済学などを勉強しはじめた。

こうして、これまでに調べてきたことや考えてきたことを伝えたい思いも勿論あってのことだけれど、決して何もかもが見えているわけでもなく、だから、色々な立場の大人たちからも様々な考え方や意見も伺って教えてもらえたなら・・・との思いで始めた企画なのだ。

 

(*企画に関する「主旨」、「問題提起」、「解決の糸口」等については、ここまで述べてきたことを含め、この後に述べることも、詳しいことは「子どもたちを育む『自立と自律』」のページでお読みいただきたい。)

 

そして、ここで提示している大テーマが、「自立と自律」だ。

人一人ひとりがいかなる境遇にあろうとも、人生をどのように歩んでいくかは自由であろうとも、決して逸れてはならない『道標』・『軸』として考えたのが「自立と自律」だ。

また、ここに少しでも近づくための方法・・・その原則として、「(自律のための)日々の育成・養成面での目標」と「(自律のための)土台となる心理面での目標」の2つの目標も提示している。

 

今回の「Vol.2」では、この日のために用意した資料(A4版用紙24ページ)とともに、「自立と自律」を大テーマに、「1.子どもたちの能力の特性面から」、「2.学校教育(公教育)の面から」、「3.家庭での子育ての面から」、「4.地域社会の面から」の4つの面からアプローチをして、会場にいらした皆さんがご自身の身に置き換えて考えやすいように、また皆さんで解決策を探っていきやすいように、進行上の構成にも工夫を試みた。

 

前半の約90分間は・・・

私からその4つの面それぞれの基本となる部分をお話し(トーク)させていただき、その上で、会場に居合わせた皆さんには3~4人くらいずつのグループに分かれてもらって、問題点を話し合っていただいたり、疑問点を出し合っていただいたり、会場の皆で意見や考えを確認し合う時間を作って進めた。

 ・・・途中、10分~15分おきに、歌とギターでの音楽ライヴ(5曲)も味わっていただいた(・・・それとなく、話題に関係した歌とも受け取れるオリジナル曲を演奏した)。

後半の約40分間は・・・

前半に出し合った疑問点などについて自由に意見を述べ合っていただいて、今回の全体の内容を皆で確認できるように「振り返り」の時間にした。

 

つまり、今回「Vol.2」の進行そのものが、「アクティブラーニング:主体的・対話的で深い学び」(「プロジェクト型の学び」)となるように構成してみたのだ。

「アクティブラーニング:主体的・対話的で深い学び」というのは、来年度からの小学校をはじめ、中学校、高校と順次完全実施となる授業形態で、しかしながら、現在、教育現場では実践的なスキルを十分に備えた教師があまりに少ないなど課題も多い。

そこで、一般の大人たちにとってあまり馴染みのない「アクティブラーニング:主体的・対話的で深い学び」という授業形態を体験していただく必要があると考えて、その要素を構成に取り入れた。

 

前回のVol.1のときは会場にいらした方の多くが学校関係者だったけれど、今回のVol.2(三鷹編)では、中学生や高校生の子どもさんをもつ親御さん・保護者の方がそのほとんどだった。

ここで、この日は驚かされたことがあった。・・・30年くらい前、ある高校での・・・かつての教え子たち(当時の学年は少しずつ違うのだけれど)が今や子をもつ母親・父親となって、この企画を知って来てくれたことだった。卒業式以来という者もいて、何だかサプライズ企画を仕掛けられたような一夜にもなった(上記の写真は、かつての教え子たちとの記念撮影)。

 

そんなちょっと特別な雰囲気もありながら、会場に居合わせた皆さんが、私の話(トーク)に耳を傾け、また相互に会話を交わし、4つの面それぞれにある問題点や課題を認識し合い、真剣で熱心に考え合う様子はとても印象的だった。

母親ならではの、父親ならではの意見、また保護者として学校の先生との関係などの話題もあって、保護者ならではの思いや考えが伝わってくる場面が多かった。他にも、務める会社での若手社員育成の問題も話題として上がるなど、時間が足りないくらいで、それほど中身の濃い時間と場を会場の皆さんと共に共有することができたかと思う。

 

子どもの教育や子育ての問題、高齢化や医療、地域社会の問題、そして、いじめの問題や若者の自殺の問題、更には先ごろ起きてしまった川崎市・登戸での事件など、犯罪に対する問題、・・・などなど、これら個々の問題・案件に対して対処されている専門家、また専門家ばかりではなく献身的に対応をされている人たちの御尽力にも頭が下がる思いで、これらの対応は決して欠かせないことであると感じる。

しかしながら、これら全ての問題に共通した根本的なところにまで切り込んでいって変容させようとしている人が、どう見渡しても、いらっしゃらない。

それで、自分自身で動くことにした。

・・・その根本的なこと・・・というのが、無自覚に無責任になってしまっている日本の社会全体と子どもたちの教育に深く関わっている。もう少しだけ具体的にここで示せば、それは「統合能力」をはじめ、社会で「自立」するための「自律の能力」の育成を指す。「統合能力」・「自律の能力」が磨かれないままになってしまいやすい環境に子どもたちを置いてしまっている・・・そんな教育と社会になってしまっているよ、ということを指す。「ちゃんと社会に出るまでに教育していますよ〜」と言っているものも恰好だけの見せかけであることがますます多くなってきていて、能力として本当に必要な部分を欠いたまま、あまりに未熟なままの大人を社会に放り出している。これが社会的な問題を数々引き起こす原因にもなってしまっている。個別の問題に対処する人たちの力を借りるなどして多少は個々人の問題は解決しても、このまま「自立と自律」といった『軸』になるものをもたずに、問題解決に向けた課題を放置すれば、次々と同様な問題は繰り返されて、むしろ数としては増えていく一方になってしまうかと思う、このままでは・・・。

私なんぞがジタバタしたとろで、この時流を変容させることはできないし、もう手遅れなのかも知れない・・・とも思う。

それでも、日本全体がある時「本当にマズイ!」と気付いたときに、「何かしなくちゃ」と本気で感じたときに、そのときに私がこの世に居なくても、「そう言えば、前にあんなこと言っていた奴がいたなぁ~」と、何かしらの手掛かりを残しておくことくらいはできるカモ知れない・・・そうも思っている。

 

最初に記した通り、日本のすべての子どもたちに及んでいる危機的な状況とは、いま述べたようなことでもあるのだけれど、この「教育を語りあおうよ音楽Cafe-Barで」を通じて、特に今回の「Vol.2」ような構成にしてみて、・・・その問題点の根本を明確にして、解決のための『軸』や『目標』を提示をしていくことで、また互いに会話を交わし合う相手が居ることによって、これほどまでに大人たちは真剣で熱心に考えて知恵をめぐらせるのだと、ある意味予想以上の驚きと同時に心強さを実感した。

これは、この日、この場で起こった僅かながらの出来事に過ぎないにしても、日本の子どもたちにも、日本の社会の未来にも一筋の光明を見た気がした。 

 

ご来場、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

真剣みあふれる取り組みと、好き(よき)姿を見させていただきました。感謝、感謝です。

かつての教え子としてのサプライズもまた、感謝です(笑)。

また、会場となった「おんがくのじかん」の菊池さんには、初めからこの企画に理解を示していただき(正直、他が場を提供することを渋るなかで)、会場として利用することを今回もまた快く引き受けていただきましたこと、また音楽演奏の音もこちらが意図するところを丁寧に会場に届けていただきましたこと、併せて感謝申し上げます。

 

***以下、この日に扱った内容について、項目だけを記載***

0.基本ルール

 (この企画で居合わせた人どうしのルールとマナー)

《イントロダクション》

1.「自由の相互承認」

2.「自立と自律」

 1)日々の育成・養成面での目標

 2)土台となる心理面での目標

《子どもたちの能力での特性面から》

3.子どもたちの情報処理能力3つの特性

 1)聴覚言語型

 2)視覚言語型

 3)視覚空間型

4.統合能力

《学校教育(公教育)の面から》

5.公教育

6.学級経営(学級担任の先生と子どもたちとの関わり)

7.各教科・科目の授業の方法 

 1)講義形式(ブロードキャスト・アプローチ)

 2)プロジェクト型の学び

  (「アクティブラーニング:主体的・対話的で深い学び」を含めて)

 3)質問作りの授業

8.近い未来にあり得ること(一部ですでに始まっていること)

 1)パーソナライゼーション

   (「AI」人工知能を用いた機械学習と学びの個別化など)

 2)入学試験・就職採用選考に関わる変化

  ①筆記試験は・・・ ②面接試験は・・・ ③ポートフォリオ

《家庭での子育ての面から》

9.「ベビーサークル」と「遊び場」(環境と機会)

10.「パターナー」と「ドラマティスト」(行動のタイプ)

11.ゲーミフィケーションの恐さと危うさ

 1)ゲーミフィケーション

 2)コンピューター・ゲームとゲーム感覚の学習教材ソフト

 3)AIを用いた機械学習の導入

12.料理を作ろう

 (低い床と高い天井、広い壁の意味)

《地域社会の面から》

13.ルールとマナー

 (第一の目的、第二の目的)

14.地域社会の崩壊が始まるとき

15.子どもたちも関わる地域社会

 (後ろを振り返り、現在を見つめ、未来へと一歩ずつ)

 (計画の原則) 

 (「プロジェクト型の学び」を実践)

16.子どもとの距離

 (家庭、学校、地域社会)

 (いろいろな物差しを用意してあげることの必要性)

以上。