今日の一曲 No.67:Godiego(ゴダイゴ)「MONKEY MAGIC(モンキー・マジック)」(アルバム「西遊記 」より)

「今日の一曲」シリーズの第67回目です。2018年に入ってから現代音楽などのマニアックよりな音楽の紹介が続いたので、今回はいたって大衆的な音楽を・・・。

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以前にも書かせていただいたけれど、高校2年生の秋頃からある出来事(2つ3つの事が重なった)を境に人が変わったように・・・本人がそう思い込んでいるだけかも知れないけれど(汗)、馬鹿は馬鹿なりに高校生活を前向きに過ごそうと決心した。

決心したところで急に物事が好転するわけでも、すんなりと思い通りに事が進むわけもなく、将来への展望はまったく掴めないでいた。当然のことながら自立する覚悟も力も身についていなかった。

当時の正直な心境としては、時間稼ぎの意味もあったのだけれど、もっと何かを身につけないことには社会に出で通用しないという自覚くらいはあった。それで、大学進学を目指すことにした。まあ、思慮深さにも欠ける高校2年生が掲げた目標はこんなものだ(汗)。

 

受験勉強も、それを言うにはあまりにお粗末で、中学校の内容を見直すことの方が殆んどだった。

でもね・・・、

常々思っていることに、「私は人との出会いだけは幸運・強運だなぁ・・・」ということ。

この当時も、優秀なる頭脳をもちながらもこんな馬鹿者の勉強につき合ってくれるお人好しな友人がいてくれたり、「そんなのお前には無理、無理」などと言わずに、言葉だけであっても、「がんばれよ」と応援をしてくれる仲間連中がいてくれた。

これらの幸運・強運をエネルギーに変換できない人間であってはならないと思うのだった。受験勉強が続けられたのは周囲の人たちのお蔭でだ・・・現在から振り返ってみてもそう思う。

学校が休みの日もほぼ一日中部屋に籠って勉強をした。昼食後の1時間ほどは近所のレコード店にふらっと出掛けたり、夕食後1時間ほどはテレビを視たりするくらいはあったけれど、それ以外は受験勉強に時間を費やした。

部屋をうろうろ歩きまわりながら暗記をしたり、決してお行儀良く机の前に座ってばかりではなかったけれど・・・。

 

高校3年生になっていたと思う・・・、日本テレビ系列で「西遊記」という番組があった。孫悟空役に堺正章さん、猪八戒役に西田敏行さん、沙悟浄役に岸部シローさん、そして、「きれいな人だなぁ~」と青年も思っていた(笑)・・・玄奘三蔵(三蔵法師)役に夏目雅子さんが演じて、広い世代に渡って人気になったテレビ・ドラマだ。

毎週の放送時間を夕食後の休憩時間に当てた。・・・いや、ただ誘惑に負けただけだ(笑)。

 

この「西遊記」のオープニングから挿入歌、ドラマ中の音楽の全てを担当していたのが「Godiego(ゴタイゴ)」だった。

リーダーでキーボードのミッキー吉野、リード・ヴォーカルのタケカワ・ユキヒデ、ベースのスティーヴ・フォックス、ギターの浅野孝巳、ドラムスのトミー・スナイダーがメンバー。

ロックを基調とする音楽を中心に、当時は、映画、CM、ミュージカルなどにも次々と活動の場に広がりを見せて、革新的でもあるその高い演奏テクニックを伴ったサウンドと音楽性は大衆を魅了しつつあった。

 

それは高校生の一人にも刺激的で面白く感じられる音楽だった。

 

まもなく、「Godiego」の3枚目のアルバムとして、「西遊記」のサウンド・トラック盤が発売された。もちろん、LPレコード盤だ(上の写真:ジャケット裏面側、メンバーが西遊記のキャラクターに扮している)。

収録曲は全12曲。ドラマのエンディング等にも流された「GANDHARA(ガンダーラ)」もオリエンタルなサウンドで大ヒットしたけれど、当時の高校生的には、メンバーの高い演奏テクニックと元来のロックバンドとしての「Godiego」が楽しめて、あり余るエネルギーやら鬱憤やらも含めて満たしてくれるサウンド感は、オープニング曲の「MONKEY MAGIC(モンキー・マジック)」にあった。

 

LPレコード盤に針を乗せたなら、メンバー一人ひとりの技量と持ち味が真に混ざり合わさって化学反応したかのような振動までが伝わってくる。

少々短絡的な当時のひとりの高校生の感じ方に過ぎない(・・・のでお許し願いたい)のだが、この一曲の音で一瞬にしてご機嫌になれた(笑)。

やっぱり、浅はかな馬鹿な高校生だったかな?(笑)。

受験勉強の応援曲の一曲に聴こえていたのかも・・・。

「さあ、勉強、勉強、・・・」

「アイツらの温かい気持ちを無駄にす(る)んじゃないぞ・・・」

と、自分に言い聞かせて・・・。

 

さて、このあと、奇蹟的にも大学に合格してしまうのだった(笑)。