今日の一曲 No.50:ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)「オール・アット・ワンス(ALL AT ONCE)」

「今日の一曲」シリーズも今回で第50回目。

 これまで、アナログ・レコード盤42枚(LP盤が36枚、SP盤が6枚)、CD7枚を紹介させていただいた。すべて、所有の盤だよ・・・少し自慢気?(笑)。

加えて、私めのしょうもない想い出話も一緒にね・・・(汗・笑)。

 

では、50枚目の盤であり、50曲目にご紹介するのは・・・、

 

1985年のホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)のアルバム「そよ風の贈りもの(YOU GIVE GOOD LOVE)」の中から・・・、

 

ん?・・・もちろん、LPレコード盤だけど・・・(笑:上の写真)。

 

 A面の2曲目に収録されている「オール・アット・ワンス(ALL AT ONCE)」。

 

ディオンヌ・ワーウイックと比較されながら、その後を継ぐ実力派の女性ヴォーカルとして全米で注目を浴びる中、間もなく、直ぐに、第28回グラミー賞の最優秀女性ポップ・ヴォーカル賞を受賞。

ルックス的な要素も多くの大衆に支持された要因にはあると思うけど、それより、彼女の魅力ある歌声とその歌唱力の方が圧倒的だったに違いない。

 

余談だけど、ディオンヌ・ワーウイックの盤はまだ紹介していなかったね~・・・いずれまた。

 

ホイットニー・ヒューストンの活躍ぶりはこれ以上ここで語らないでもご存知の方も多いかと思うのでやめておきますね。そう言えば、彼女が主演した映画「ボディーガード」も映画館に観に行ったなぁ~。

 

85年というと、私がどんな状況にあったかは、度々このブログ「今日の一曲」でも書かせていただいている。

そう、社会人3年目だ。

社会人1年目、職場のイイ大人たちがホントくだらない派閥争いをする中で、どちらにも付かないでいたら2年目は干されてしまい、でも、強力な救世主とも言える上司の着任もあって、その元の職場に戻ることになった社会人3年目・・・という話だ。あとの詳細は今回は省くことにして。

(「もう何度も読んだよ~」と飽き飽きしている方にはゴメンなさい。)

 

当時は実家に一度戻っていた。

近所の例のレコード店へご紹介のホイットニー・ヒューストンのアルバムを買いに行った。

相変わらず、商売っ気のない、物静かそうなオジさん一人が営んでいる。

オジさん・・・、そう、考えてみると、私が小学5年生くらいから社会人になるまで、15年間以上も私がレコード盤を買いに来る姿を見ていることになる。でも、オジさんの方はまったく年齢そのままのような少しも老けてきた感じがない・・・。小学生の私が眺めていたオジさんのままのような・・・。えっ?最新AIを組み込んだアンドロイドだったりして・・・。現在なら、そんな想像もしたくなるけど・・・でも、まさかね(笑)。

 

以前にもどこかで書いた覚えがあるけど・・・、

80年頃からは、アナログ・レコード盤に何度も針を乗せて聴くことはしない。カセットテープにダビングしておいてカセットテープで聴く。こうして、アナログ・レコード盤は良好な状態で保管する・・・当時の常識だった。

 

自宅に帰ってすぐに、買ってきたLPレコード盤に針を乗せて同時にカセットテープへのダビングを開始する。

 

ホイットニー・ヒューストンの歌声が響き渡ってくる。

 

で、「オール・アット・ワンス(ALL AT ONCE)」の話だね。

 

ご紹介のアルバムに収録されたどの曲もが、当時、多くの人が聴き惚れた曲であったと思うし、実際にヒット・チャートの上位曲にもなった。

が、個人的には、やはり、この曲だ。

ホイットニー・ヒューストンの歌唱のあらゆるテクニックとその歌声の表情と魅力が、シンプルなフレーズを何度も繰り返すだけのこの曲に、濃縮して詰め込まれているように聴こえてくるのだった。

 

ALL AT ONCE・・・~

 というフレーズの彼女の歌声を聴くだけで、その度に、当時は、涙が溢れそうになった。

そう、ダビングしたカセットテープのこの曲だけを、何度リピートして聴いたことだろう・・・。

 

この前年、今から考えてもあまりに理不尽に思えるような流れで職場から突然干される目にあった・・・その恐れ、その呪縛からは、まだ解かれていなかったのかも知れない。

「突然に、一瞬にして・・・(すべてを失うことも・・・)」

 

ただ、ホイットニー・ヒューストンの歌声は、歌詞の内容とは別に、何かに立ち向かっていこうとする希望のようなものも感じて聴こえてくるのだった。わずかに差す光のように感じるものがこの歌声から胸に沁みてきて、聴く度に目頭を熱くさせた。

 

まぁ、当時の個人的な勝手な解釈で聴いていたというだけなのだけどね(苦笑)。

 

痛く辛い思いや、悔しくて苦い体験も、そこからくる恐怖感も、ホイットニー・ヒューストンの「ALL AT ONCE」に包み込んでもらっていたような・・・、そんな「今日の一曲」でした。

 どうしてもの時は、涙するのも大切かもよ・・・。