ライヴを訪ねて:「ピロシキアンサンブル(三鷹・おんがくのじかん:2018/03/01)」

(数日が経過してのアップで失礼いたします。)

 

「3月かぁ~・・・」

と吐き出したのは・・・、部屋に籠りがちのまま、時だけが過ぎていくのを見送ってきた感じがしたからだった。

Facebookのスケジュールを覗くと、

<ピロシキアンサンブルさんのライヴ、あるんだぁ!>

と、少し視界が開けるような心境に。

午後3時過ぎには部屋を出て、早目にライヴ会場のあるJR三鷹駅へと向かった。

JR三鷹駅に着いたのは午後4時半頃。久ぶりの三鷹でもあったので、駅の南口側に出てその周辺の散策からはじめた。ま、ライヴの会場である「おんがくのじかん」の場所確認も兼ねてではあったのだけれど・・・。

40分程うろうろと歩いて、それは案外楽しく巡っていたのだけれど、この日は急に気温が暖かくなって、やや強い風が吹き続けていた。

<うわぁ~はじまった>

花粉症のことだ。

外出時は年中マスクを着用しているのだけれど、花粉量の多い日はこのマスクの下でも鼻水が・・・(汗)、で、目もかゆい。

たまらず、見つけたカフェへと逃げ込んだ。

結局はカフェ内で1時間以上も時間つぶしとなった。それでも、肩掛けしていたカバンの中に「世界一幸せな子どもに親がしていること(オランダの子育てと学校教育の取り組みについて書いた本)」を持ち歩いていたので、珈琲を啜りながらこの本を読み進めているうちに、あっという間に時間は過ぎていて、むしろ慌てるようにしてカフェを出た。

 

そこはもう、入口のドアからして不思議な異空間を誘ってくれそうな様相を醸し出していた。

ドアを開けて中に入ると直ぐのところで、椅子に腰かけた出演者3人の顔が一斉にこちらに向けられた。大阪から東京ツアーとして出演される「仲曽根有里」さん、「ピロシキアンサンブル」の「カノミ」さんと「さとこ」さん。・・・カノミさんが「ありがとうございます」と、いつものように、もう既に心をほぐしてくれるかのような温かい口調で迎え入れてくれた。

入口奥のカウンターで受付けを済ませて、「おんがくのじかん」なるライヴ・スペース内を詳細に観察させてもらった。と言うより、壁の殆んどを埋め尽くして備え付けられた書棚とレコード・CDラック棚を、どうしたって観察しないではいられない。カノミさんと一緒に古いLPレコード盤を少しずつ一枚一枚引き出してジャケットを覗き見する。何十年か前から三鷹にある中古レコード店の話やカノミさんが三鷹市内に住んでいた頃の話を聞かせてもらいながら・・・と、こうしているうちに、次々と他のお客さんが入ってくる。顔見知りの人や何処かでお見掛けしたなぁ~という人がほとんどだった。

 

ライヴ、スタート!

 

先に、中曽根有里さんがピアノの弾き語りで・・・でも、音響器材も上手に取り込んで独特の世界観を演出するスタイル。

(恐縮ながら勝手な感想を記すなら・・・)声質とその発生・発音の福與かさに一番の魅力を感じた。もちろん、それと、ピアノ・アレンジが上手い具合に合致していたからだけれど・・・。初めての東京でのライヴということもあったのだろう、少し遠慮がちなトークであったり進行であったので、堂々と彼女の世界を押し通すくらいの勢いがあっても構わないのに・・・との期待感も込めて、また、彼女のライヴを訪れてみたいと思った。

 

次いで、「ピロシキアンサンブル」のお二人が登場。

1月の私自らの企画ライヴにもゲスト出演していただいたばかりだったけれど、このお二人の演奏とライヴは現状維持などということが全くない。常に進化し続けている。

<おお、またもや研きが掛かっていますねぇ~!>

始まって1分間ほど聴いただけで、そう思わせてくれるお二人の凄さを感じた。当然、「ピロシキアンサンブル」ならではの世界観へと引きずり込まれていったのだった。

もうこれ以上は、ここで書き記せばそれだけ野暮になる。

異空間的でありながら居心地の好い空間と時間を過ごさせていただいた。

 

ライヴ後も客席は皆が残っていた。ほとんどの人がお酒を片手に出演者さんと音楽や日常のあれこれを含めて談義を交わし合って、・・・皆、今宵のライヴに満足そうで、幸せな顔に見えた。こんな様子を眺めながら、自身も救われるような想いになった。

<音楽って好いなぁ~>

<ライヴって好いなぁ~>

帰宅の途についた。