今日の一曲 No.74:ピーター,ポール&マリー(Peter,Paul and Mary)「パフ(PUFF)」

「今日の一曲」シリーズの第74回です。

前回の第73回(2018/02/25)で、小学生の頃のことを書いているうちに、この曲も実は頭の中で鳴りはじめていました。その前回に書いた「陣取り合戦」の補足説明も必要かと思いまして・・・今回は、その一曲が収録された74枚目の盤とともに、前回の続編的な部分も交えて書かせていただこうかと思います。

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小学校の3年生になって初めて、学校という場所が楽しいところだと思えた。クラス担任の先生の存在というのは小学生の子どもにとっては思いの他その影響力は大きいものだ。自分自身が子ども頃はそんな風に感じていても言葉にしたりはできなかったのだけれど、大人になって、父親になって、あらためてその影響力の大きさを再認識させられる。

で、この居心地の好かった小学3年生のときの担任の先生とも、クラスの友だちの半数くらいとも、サヨナラになった。市内に新設の小学校ができて学区域が変更になったのだ。

 

新しい小学校へは家から歩いて7分くらいで、これまでの4分の1くらいの距離と時間で行けるようになった。ラッキーなようでもあるのだけれど、例の『原っぱ』の仲間たち(第73回に記した内容)を班にした集団登校では、距離が短か過ぎて、あまりにあっけなく学校に着いてしまい、登校中の面白みも4分の1になった感じがした。

その新しい小学校・・・・、

給食の時間から昼休みにかけて、校内放送で頻繁に流れる印象的な曲があった。

ピーター,ポール&マリー(Peter,Paul and Mary)の「パフ(PUFF)」という、1960年代のフォークソングで、子ども向けに創られた曲だった。・・・などということは、小学6年生か中学生になってから知ったことだとは思うけれど。

 

小学生低学年の頃にGSブームがあって、このブームが去ると、小学3年生から4年生の頃は、フォークと呼ばれる音楽を耳にすることが増えつつあって、それでも、洋楽のフォークの響きは、当時の小学生には新鮮な音に聴こえていた。ただし、「パフ(PUFF)」が、子ども向けに創られた曲であるということは、英語の歌詞がまったくわからない小学生にも、その曲調や歌い方からして、子どもに語り聞かせる物語り風な歌詞であることは容易に想像できていたように思う。・・・こんなところも音楽の好さかな〜・・・。

 

Puff the magic dragon

lived by the sea

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さて、新しい小学校の4年生のクラスは、3年生のときのあのクラスほど和やかな空気を感じられるクラスではなかった。常に何らかの圧力をどこかに感じながらの教室だった。だからだ・・・昼休みに流れてくる「パフ(PUFF)」が、余計に温かく優しさのある音楽に聴こえていたのだろう・・・おそらく、3年生のときのクラス担任の先生とクラスの友だちとの穏やかで和やかな教室を、独りで周囲に気付かれないように想い出しながら聴いていたにちがいない。

 

そして、放課後の時間と休日を迎えることだけを待ち望んでいた・・・。

 

そう、『原っぱ』に行けば、必ず何かが起こる。

メイン・イベントは、「陣取り合戦」。

2つのチーム分かれて、原っぱを中央に挟みながら、はす向かいに150メートルほど離れた2本の電柱がそれぞれのチームの陣。

勝敗の決まり方は・・・

①相手側の陣(電柱)に先にタッチした(触れた)方のチームが勝ち

➁それぞれの陣(電柱)を後から離れた者が先に離れていた相手を鬼ごっこの要領で捕まえることができて、自陣近くの円の中に捕虜として居させることができる。相手側のチーム全員を捕まえたら勝ち

・・・他、捕虜を助ける方法などもあるけれど、おおよそ、こんなルールの「陣取り合戦」。

 

近所中の小学生、低学年から高学年まで、男子も女子も、少ない日でも12人ほどで、多いときは20人くらいが集まって、三角ベースの野球やドッヂボールなどもするのだけれど、日暮れ前の最後には決まって「陣取り合戦」で締めくくるのだった。

小学1年生のときから一員に加えてもらって、4年生になった頃には、この「陣取り合戦」の戦略をたてるのが得意分野になっていた。同じチームになるとみんなが喜んでくれて、当時唯一だったかも知れない、自分の中で少し誇らしい気持ちになれた瞬間でもあった。

 

ところで、ピーター,ポール&マリー(Peter,Paul and Mary)の「パフ(PUFF)」が収録された盤を実際に手にしたのは1983年のことで、ベストコレクション盤として、60年代に録音したものをリマスターして再版したLPレコード盤だ。ジャケットだけは60年代に出した2枚目のアルバムに似せてデザインされている。

そう、社会人1年目、あまりに理不尽な出来事に巻き込まれていた(この事もこれまでに何度か書かせていただいているけれど・・・)その頃に買った盤だ。

 

現在から振り返っての感覚にはなってしまうのだけれど・・・、

新しい小学校の4年生の教室も、社会人1年目の職場も、常に緊張を求められる空気感が漂っていて、これに耐えながらそこに居なくてはならなかった。いずれの当時も胸裏を圧迫してくる様々と闘いながらだった気がする。そこに僅かにもオアシス、いや、逃げ場所かな?・・・を与えてくれた音楽が、この一曲だったのかも知れない。

 

昨年、民放ドラマで略称「逃げ恥じ」というのが話題になったようだけれど(ゴメンあまり内容は詳しくない(汗))・・・、逃げっ放しのままというのはあまり良くはないように思うのだけれど、手段として一時的には逃げ出して、物事を俯瞰的に眺めて視野を拡げるという方法に繋げられるなら良いかと思う。

・・・なんてね、社会人1年目に聴いた「パフ(PUFF)」は一時の逃げ場所であったことは確かだ。で、逃げては心身を少し休めて、また闘いの場所に戻って闘い続けた。結果、とんでもなく痛い目にあった。そうだ、世の中は恐ろしいのだ・・・(汗)。

ま、それでもその後、お蔭をもちまして、これまでも何度もご登場いただいている救世主と出会えるチャンスを得ることにはなるのだけれど・・・(笑)。

 

「パフ(PUFF)」の歌詞にある物語の流れも少し似ている部分があるような・・・、どう?・・・。

少し違うか?・・(笑)。