今日の一曲⑰:山口美央子「コードCの気分」

1月9日以来の久しぶりの「今日の一曲」だ。第17回目になる。

今回紹介する音楽は、おそらく御存じの方は少ないかと・・・。山口美央子のアルバム「Nirvana」から「コードCの気分」という曲だ。

 

第8回目(2016年11月26日)で紹介した矢野顕子の「いつか王子様が」とほぼ同時期に手にしたLPレコード盤だ。コンピュータの目覚ましい技術発展に伴って、テクノ・サウンド、エレクトロニクス・サウンドが音楽のあらゆるジャンルに渡って盛んに試みがなされていた80年代前半の頃だ。

 

当時、矢野顕子さんのことも断片的にしか知らず、ほとんど「ジャケ買い」だったと書いたはずだが、山口美央子さんについては、何の情報も入れないまま、100%の「ジャケ買い」だった。

ちなみに申し訳ないが、山口美央子さんについては未だに何者なのか存じ上げない。

 

さて、レコード店にフラ~っと入って、LPレコード盤ジャケット一枚一枚を、4本の指はジャケットの裏側に当てて親指の先とで軽く挟んで摘まみ、これを引き上げる。やさしく、素早くだ。そして、ひたすら繰り返す。

 

インターネット検索もなく、アナログ・レコード盤は視聴するわけにはいかない。そんな時代だ。音楽雑誌やテレビまたはラジオからあまり情報が得られないような音楽は、こうして自分の「直感」で探し当てる。

言ってみたら、自分の「直感」だけで選択した音楽を聴こうとするのに、2,000円〜3,000円のお金を出して買うのだからスリルこの上ない楽しみの一つなのだ。

 

これまでも書いてきたが、CDの時代以降、ましてや、ネット社会になってからは、こうした楽しみが無くなった。・・・と、またもや愚痴る(笑)。

 

で、山口美央子のアルバム「Nirvana」を手にした。

レコード・プレヤーに乗せて針を落とす。

『テクノ・ポップ&ロック&昭和歌謡』といったところだろうか。まあ、全体のサウンドは、80年代前半のテクノ・サウンドとロック・バンドが融合した音だ。収録された9曲が多彩で、ポップス、ロック、昭和歌謡・・・風な感じに、メロディ・ラインや歌詞が様々な色に変えて聴かせてくれるのだった。

 

中で、今日紹介する「コードCの気分」は、これらが丁度バランス良く総てをミックスしたようなテイストの楽曲だ。何色もの色が一曲の中に盛り込まれてバランスの良い配色が面白く楽しい曲だ。これが、A面の2曲目にある。

 

ここで、平成生まれの諸君、アナログ・レコード盤にはA面とB面があるのだ。この良さを理解できるか・・・(笑)。でも、最近は、わざわざアンログ・レコード盤で聴く人も増えているようだ。聴いたことのない方は、どうか一度お試しあれ。余談だったか・・・。

 

話を戻そう。

楽曲のアレンジやサウンド、メロディや歌詞にも面白みを感じるが、山口美央子のVocal が好い味を醸し出している。決して丁寧な歌い方には感じられないし、テクニックを感じるわけでもないが、ただノビノビと自由に感じたまま歌っている風に聴かせるのが上手い。声質は、森高千里さんに似ているかなぁ〜(森高千里さんの方がずっと後の時代に登場するのだが)。

 

「ジャケ買い」大成功!

・・・ということだ。

当時、これだけで喜んで聴いていたかも知れないが、そろそろ社会でどう生きるべきなのかを日々模索していたような頃でもあった。

心の奥底では自身の生き方と向き合うべく少々重苦しい想いを抱えていたが、この音楽が自由で前向きな想いも呼び起してくれたように感じていたに違いない。

そう「直感」も大切にして生きる!・・・とね。

 

100%の「ジャケ買い」でも前を向かせてくれた音楽、「直感」も大切な生きる手段なのだと。が、人生もより面白くするなら「バランス」は欠かせない。そんなことを思わせてくれた音楽として、山口美央子のアルバム「Nirvana」から「コードCの気分」を、今日の一曲として紹介させていただいた。